III章の「正しいダイエットの考え方」で、「やせる」には2種類あるとお話ししました。
<A> 健康的にやせる
<B> 衰えてやせる(やせ衰える)
の2つでしたよね。
そして、どんな場合でも、「<A>健康的にやせる」でなければならないと。
タバコの害を挙げるとキリがありませんが、その中での一つに一酸化炭素の害があります。
タバコの煙の中に含まれる一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと大変結びつきやすく、
それは酸素の200〜300倍だと言われています。
つまり、一酸化炭素を吸ってしまうと、全身に酸素を運ぶ働きをしている血液中のヘモグロビンが一酸化炭素と結びついてしまい、酸素の運搬が出来なくなってしまうのです。
時々、一酸化中毒で人が亡くなってしまうといった悲しいニュースを見聞きすることがあると思います。
数本の喫煙で人(成人)が亡くなることはないと思いますが、
タバコを吸った人の身体は、あの一酸化炭素中毒を軽く引き起こしているに等しいのです。
生命維持に欠かせない「酸素」を全身に運ぶことが出来なくなる。これが大きな問題です。
喫煙は更に、ニコチンによる影響で血管を収縮させます。
身体の隅々の細胞、諸器官には毛細血管といわれる大変細い血管が網羅しているのですが、血管の収縮により血流が滞って、酸素や栄養が更に届きにくくなることもわかっています。
他にもタバコの害はたくさんあるのですが、
ここまで読んだだけでも、喫煙が先の「<B>衰えてやせる(やせ衰える)」に完全にあてはまることがおわかりかと思います。 |
|
タバコをやめれば一時的に太ることがあります。
それは今までタバコの害によって酸素や栄養が滞っていた器官や細胞に、酸素や栄養が補給されるようになるからです。
実は正常な状態に戻ったということなのです。
ですから、この状態を保ちながら(タバコを吸わないで)やせた時、「本当にやせた」と言えるのです。
もう一つ、これはダイエットとは直接関係ないのですが、タバコの害について重要なことを……。
ご存知だと思いますが、タバコは自分に害を与えるだけでなく、周りの人にも害を与えてしまいます。
家族、恋人、友人、仲間、見ず知らずの人、……彼らの健康をも侵してしまうのです。
何も言わない(言えない)けれど辛い思いをしている人が、喫煙者の周りには必ずいます。
伏流煙による健康被害や不安、頭痛、はきけ、目や鼻、喉の痛み、衣服や髪などへ吸着する嫌な臭い(余計なクリーニング代もかかってしまう)などなど、喫煙者の近くにいる非喫煙者の悩みはつきません。
禁煙エリアと喫煙エリアが分かれた飲食店で、
親が喫煙者であるばっかりに、煙がモクモクした喫煙エリアで食事をせざるをえない子供たちを見ると、心が痛みませんか。
喫煙者にとっては何気ない心地良い一服。
それは、近くにいる非喫煙者にとって、苦痛以外の何物でもないのです。
タバコはすぐにやめましょう。
|